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(社)日本広告審査機構

野崎様

 前略 失礼いたします。
 私は、5月 27 日に貴法人にお電話した者です。その際にお話した、電気事業連合会の原子力発電に関
する広告について、別紙の通り苦情のご連絡をいたしますので、ご査収ください。

 なお、私がお電話した際に、野崎様より「原子力発電は扱いにくいテーマなので・・・」と後ろ向きのご
発言がまずございましたが、いただけません。単なる一商品の広告とは違い、原子力発電は全国民の生活
に直接関わっている重要なテーマであり、国策であろうと専門知識が必要であろうと、本来は貴法人のよう
な公益法人が誠意を持って取り組むべきテーマと考えます。
 東京に住む方々は、核施設の危険性、すなわち放射能汚染の恐怖を真剣に考えたことはないかも知れま
せんが、核施設と隣り合わせで暮らさなければならない人々や、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候
補地に挙がっている住民の立場で考えた時に、はじめて公正な判断が下せるはずです。
 誠意あるご対応、ご返答を心より期待しております。
草々

2008 年5月 29 日
林 将之(フリージャーナリスト)
(社)日本広告審査機構 2008 年 5 月 29 日
事務局長殿

電気事業連合会の原子力発電広告における
不適切表示に対する苦情

 2008 年4月 1 日発行の雑誌『ソトコト』(木楽舎)p.176 〜 177 ほか、ここ数ヶ月間で新聞等で掲載


された電気事業連合会の原子力発電に関する広告において、『原子力発電は・・・(中略)“ クリーンな電
気のつくり方 ” です。』という文言がありますが、下記の通り、これは事実に反する不適切な表現であり、消
費者に誤った認識を抱かせる恐れがあると考えられるので、広告主に改善を促すよう要望いたします。何卒、
公正かつ誠実なご対応をお願いいたします。

<問題とする文言>
『原子力発電は、ウランを核分裂させたときに出る熱を利用し、
その熱で水を蒸気に変えてタービンを回し、発電します。
水力発電や太陽光発電などと同じように
発電の際に CO2 を出さない ” クリーンな電気のつくり方 “ です。』

<不適切と考える理由>
 「クリーン」(= clean;きれいな、清潔な)という言葉の意味を踏まえた上で、原子力発電は以下のよう
な理由で、「クリーンな電気のつくり方」とはいえないと明確に判断できます。

1.原子力発電は、発電とともに極めて毒性の高い高レベル放射性廃棄物が発生し、放射性物質の漏出や
被曝事故が起きないように、常に厳重な注意の下に稼働、管理、処分しなければならない。しかし、
それでも現場の下請け労働者は少なからず被曝することになる。
2.これまでに生じた高レベル放射性廃棄物および今後、六ヶ所村核燃料再処理工場で発生する高レベル
放射性廃棄物は、最終処分場が未だ決まっておらず、現状では安全に処分できるのかすら危うい。
3.現在の日本の原子力発電は、核燃料サイクルの一環として計画が進められているが、核燃料再処理工場
からは自然界に存在しない放射性物質が常に排出される。
4.「CO2 を排出しないこと=クリーン」ではないのに、あたかもそのような表現になっており、発電時の利
点のみを伝えて重大な欠点を隠しており、消費者の誤解を招く。また、英語の「clean」という言葉には、
「放射能に汚染されていない」という意味もあるが、原子力は放射性物質そのものを利用した発電方法
であり、明らかに矛盾する。
5.「クリーンエネルギー」とは、水力や風力、太陽光、地熱など、環境汚染物質を出さない再生可能エネ
ルギーを指す用語であり、原子力はこれに含まれないので、誤解を招く。
6.火力、風力、太陽光などの各発電施設は都市部にも建設されているのに対し、原子力発電所が都市部
に建設できないのは、事故時の放射能汚染の危険性を常に考慮しなければならないためで、到底クリー
ンとはいえない。
以上

林 将之(フリージャーナリスト)
(社)日本広告審査機構
野崎様

 前略 失礼いたします。
 先日お電話でお伝えさせていただいた通り、5 月 27 日付原子力発電に関する広告表示の苦情に対する電
機事業連合会の回答書について、到底納得できないので、別紙の通り不満を再申し立てます。貴機構の委
員会による客観的で公正な見解を希望致します。何卒よろしくお願い致します。
草々

2008 年 7 月 25 日
林 将之(フリージャーナリスト)
(社)日本広告審査機構 2008 年 7 月 25 日
事務局長殿

電気事業連合会の原子力発電広告への苦情
に対する回答書への不満再申立て

 2008 年 5 月 27 日付でご連絡した上記苦情について、広告主の電機事業連合会からの回答書を拝見し
ましたが、到底納得できる内容ではありません。前回提出した苦情内容に加え、下記の理由や疑問とともに、
不満再申し立てを致します。貴機構の委員会による、公正かつ誠実な見解を希望致します。

1. 全工程における一部の特長のみに着目し、その特長があたかもその商品の全貌であるかのように表現し、
重大な欠点を無視した表現が許されるなら、詐欺まがいの多様な表現が可能となり、広告表現の秩序
が失われる。

2. 1 のような広告を、民間企業トップクラスの電力会社が大々的に宣伝していることが大きな問題であり、
世論操作に通じる懸念がある。

3. 原子力発電というテーマは、その仕組みを理解するのに専門的知識が必要であり、一般市民が原子力
発電の短所(すなわち発電後の放射性廃棄物の発生、発電時に排出される放射性物質や温排水の影響、
被曝労働者の存在など)を本件広告から想像することは困難なので、一部の長所のみを宣伝することが
相応しくない分野である。

4. 電力が完全に自由化されていない今日においては、原子力発電のような大規模な電源開発は、単なる民
間企業の営業活動にとどまらず、極めて公共性が高い事業である。そのため、一般の民間広告とは明ら
かに性格が異なり、長所と短所を公正に説明し、国民の判断を仰ぐ姿勢をとる義務がある。

5. もし、電気事業連合会の回答にある通り、一部の事実に基づいた誇張表現が許されるなら、
「原子力発電は、発電の際に放射性物質を出す “ ダーティな電気のつくり方 ” です」
「原子力発電は、発電の際に温排水を出す “ 海を温暖化する電気のつくり方 ” です」
「原子力発電は、発電後に放射性廃棄物を生み出す “ デンジャラスな電気のつくり方 ” です」
といったコピーも許されることになるが、こうした表現を他者が公の場で大々的に用いることを、電気事
業連合会は認めるのか?

6. 一般に、原子力発電はクリーンエネルギーに含まれないが、そもそも電気事業連合会は、原子力発電
がクリーンエネルギーに含まれると考えているのか?
以上

林 将之(フリージャーナリスト)
(社)日本広告審査機構 2008 年 10 月 10 日
林功審査部長殿

電気事業連合会の原子力発電広告への苦情
に対する回答書への不満再申立て

 私は平成 20 年 5 月 27 日に「電気事業連合会の原子力発電広告への苦情申し立て」を行っ
た者です。先日、貴機構からの書面を受け取りましたが、貴業務委員会の「見解を出すに至
らなかった」という結論は回答になっておらず、当然ながら納得できるものではありません。業
務委員会で見解を出すことができないなら、審査委員会で見解を出すよう、改めて不満申し立
てを致します。
 なお、原子力発電について、
「一般消費者はもとより専門家間においても意見が分かれ、様々
な議論が交わされている」「考え方が根本的に相反する両者間における広告・表示に関する意
見の相違」といった現状がある中では、
巨大企業である電力会社(の連合会)が、
その経済的・
政治的な権力を利用して一方的に偏った解釈を広告・表示すること自体に、大きな問題がある
のではないでしょうか。
 その点も含め、引き続き貴機構でのさらなる厳正な審査・対応を強く希望致します。

林 将之(フリージャーナリスト)

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